愛の人②

 

私の父は10年前に突然死にました。

 

当時の私は父の死を素直に悲しむことができず、

と言っても今でもその思いは変わらないのですが(笑)

 

だって自分で選んだんだもん。

 

生きることより死んだ方がいい。と。

そう行動できちゃうくらい

生きていることが辛かったんだな☆

と思ったら悲しむのが違う気がした。

 

ラクになれたのかな、

父が選んだ選択を否定したくなかった。

だから、よかったね、なんだ。

 

 

竹村の父は生きたいと強く願った人でした。

どんなに苦しい治療も、

もう見込みはないと言われても、

家族のためにまだ生きたい！

奥さんのために少しでも長く生きなければ！と

そんな責任感で頑張り続けた人でした。

 

 

嫁の私がこんなこと言うのもナンだけど。

 

お父ちゃんはいつだってよくワカンナイことばっか言ってて、

「末期ガンだったけどいつの間にか消えてた」

そんな奇跡を起こす人だというヘンな自信が私にはありました。

 

 

前夫の舅姑に要らん孫だと言われた我が子を受け入れ

大切に大切に育ててくれたのが

竹村の父です。竹村の母です。

 

仕事モードが抜けきらない時の、

夫や子どもたちさえも話しかけて来ないような

ものすごい感じ悪い私に

「ようこさん」「ようこさん」と

空気を読まず(笑)話しかけてくれた父です。

 

マイペース

 

それが愛情ベースで成り立ってる人でした。

 

 

瀬戸のこんな田舎町で

決して派手ではない生活 / 派手ではない人生だったんじゃないかな。

 

けれどビックリするくらい

たくさんの、本当に大勢の方が参列してくださり

そして見送ってくださり、

お父ちゃんの生き方を改めて教えてもらいました。

一番豪華な祭壇がよく似合う

そんな素敵なお別れの式でした。

 

損とか得とか、そんなんじゃなくて

喜んでもらえることが嬉しくて

相手のために心で動ける素晴らしい人。

 

 

子どもを守る母犬のように

全てに対してピリピリしていた私は

お父ちゃんお母ちゃんの竹村の家に来て

安心して子犬になれました。

 

 

お父ちゃん。

何も心配しなくていいからね。

 

守り / 守られ。

お母ちゃんとの新しい生活をみんなで創るよ。

 

まだまだ当分の間は

至らない私たちがお母ちゃんをお借りします。

まだまだ返さないからね！

 

 

合掌。

 

 

 

☆追記☆

 

完全に毛色の違う顔をした長男。

親戚の人とのやり取りに

この10年で培った「何か」を感じ、

竹村の子になったんだなぁ～と母の感謝を涙に変えました。